言語聴覚士について
訪問看護ステーションいぶきに、2020年4月から言語聴覚士(ST)が仲間入りしました。
言語聴覚士が関われる領域
失語症 脳の障害によって話す、聴く、読む、書く、計算するなどが難しくなる障害です。
構音障害 発音がひずむ、はっきりしないなど、言葉が不明瞭になる障害です。
発音障害 声が小さくなる、がらがら声、かすれ声といった声の障害です。
高次脳機能障害 注意が散漫になる、集中できない、記憶力が低下する、順序立てて計画的に物事をすすめられない、物をうまく認識することができない、病識がないなどの障害です。
摂食・嚥下障害 ムセる、飲み込みにくいなどの食べる能力の障害です。
コミュニケーション障害 認知症名等で家族や周囲に人と円滑にコミュニケーションが取りにくくなる症状、障害です。
言語聴覚士ができること
脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など)で言葉が出なくなった方、言語的な理解が難しくなった方に対して、円滑にコミュニケーションが図れるように発話練習や、聴覚的な理解の訓練、補助手段の検討などを行います。合わせて文字を書く練習や利き手交換などの訓練を行います。
脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など)で記憶障害(新しいことが覚えられない、数分前に話をしたことを忘れてしまうなど)や注意障害(注意散漫になりやすい、注意力が持続しない、二つのことが同時に処理できないなど、右側もしくは左側の見落としがある)、やりたいことを計画立てて行うことができないなど目に見えない症状について評価を行い、症状に合わせて訓練や家族指導を行います。
例)家事動作(洗濯物をたたむ、献立をたてる、実際の調理、掃除など)なども一緒に取り組みます。
唾液や水分、食べ物でムセるなど飲み込みが困難になった方に対して、肺炎予防に向けて食事形態や姿勢、安全な飲み込みの方法を本人、家族へ指導・援助します。昼食時に時間を合わせて訪問し、嚥下方法の指導や食事形態の指導、家族の介助方法の指導を行うこともあります。終末期に差し掛かった際に本人や家族のニーズに合わせてサポートする役割を担います。合わせて誤嚥性肺炎予防に口腔ケアの実施や助言を行います。
発話時に呂律が回らない、言葉がはっきり聞き取れない、地域・在宅の交流を通して、言語障害や難聴などのコミュニケーションの問題で困っている方に支援方法を助言したり、発声・発話訓練を行っています。
認知症によるコミュニケーション障害により家族とコミュニケーションが取りにくくなった状態に関して、状態に応じたリハビリや、利用者・家族の困りごとを聞き取り、対応方法について助言を行います。